お茶の淹れ方(D)
本ページでは、以下のお茶を対象にお茶の淹れ方をご紹介しております。
対象のお茶
- 太平猴魁 (中国緑茶)
- 太平猴魁 特貢(中国緑茶)
上記のお茶を以下の方法にてご紹介しております。
- 初心者向け / 大人数に適した淹れ方
- 細かな茶葉用の上級者向けの準工夫式(功夫式)
- グラスを使った淹れ方
- 水出しの作り方
- カフェインを控えたい人にお勧めの淹れ方
順にご紹介していきます。
1. 初心者向け / 大人数に適した淹れ方
紅茶や緑茶などのような茶葉が細かめのお茶を簡単にいれる方法です。実用容量300ml前後の急須を用いた淹れ方になります。
緑茶に関しては、一般的に低めの温度でいれるのが常識のように思われておりますが、高い温度で淹れた緑茶も意外に苦くならず、香り高く意外な美味しさを呈します。
特に、HOJOではミネラルが濃く、ポリフェノールを多く含むお茶を中心に紹介しております。ポリフェノール類は温度が高いほど抽出効率がよくなるため、熱湯で淹れる方法がむしろ適しております。
急須に関しては、中国茶用、日本茶用、紅茶用など多種多様ですが、素材さえ意識すれば、それぞれのお茶間での流用が可能です。
急須と茶杯(湯のみ)の材質
陶器
陶器の急須は味を良くすると思われがちですが、意外に、過半数以上の陶器にはコクを打ち消し、渋味を呈します。味に奥行きが感じられない場合、意外に急須が原因の場合がありますので、注意が必要です。
磁器やガラス
磁器やガラスはニュートラルなので味に影響を与えないと思われがちですが、溶出試験をするとミネラルが溶出することが分かっており、事実、お茶の味に顕著な影響を与えます。質の高いお茶を飲めば飲むほどに注意深く材質を選ぶ必要があります。
材料の種類に関係無く、材質が味に影響することを考慮し材料選びをしてください。
詳しくは《急須と茶杯の選び方》を参考にしてください。
お湯の温度
- 100℃(沸騰水)
- ※沸騰状態を3〜5分程続けた湯を使用します。
- ※暫く沸騰させ続けることで、水に含まれる重炭酸カルシウムが炭酸カルシウムへと変化し、お茶の味がより甘く感じられます。
湯と茶葉の量
- 湯の量:300ml(実用容量)
- 茶葉の量:3〜5g
- ※上記の目安を参考にお好みで湯の量と茶葉の量を調整してください。
- ※目安として5gで1ℓ(以上)のお茶を淹れることができます。
- ※別の目安として1〜2人なら2〜3g、3〜4人なら5gのお茶が適量です。
手順1:急須を温める |
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手順2:茶葉の予熱 |
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手順3:お茶を淹れる |
適量の茶葉を急須に入れ、熱湯を注ぎいれてください。湯を入れてからの浸出(蒸らし)時間は以下の通りです。
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2. 上級者向け、細かな茶葉向けの準工夫式
工夫式は中国語では功夫式泡茶と呼ばれ、広東省潮州における高級な鳳凰単叢烏龍茶をより美味しくいれる為に発達した淹れ方です。
比較的少量の湯を用い「高温短時間」でお茶をいれることで、香りの統一感、味の透明感を高めます。
各手順を素早く進める必要があるため、流速(お茶の注ぎ速度)の早い蓋碗、宝瓶、絞り出し、小型の急須(茶壺)が工夫式の淹れ方には適しております。
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蓋碗(台湾茶器)
使用する水
- 浄水器に通した水(水道水)
- もしくは、ミネラルウォーター
- ※水道水を使用する場合は、活性炭フィルター付きの浄水器を用い、水中の塩素を除去してください。
湯沸かし
○おすすめの湯沸かし
- ステンレス製の湯沸かし(やかん)
- ステンレスの電気ポット
- 保温機能付の電気ポット(例:タイガー、象印など)
△注意が必要な湯沸かし
- 鉄瓶は、急須の材質との相性があるため注意が必要です。
×使用を避けるべき湯沸かし
- 土瓶、銅、アルミ、真鍮製、銀のヤカンは金属イオンの影響で味をフラットにするため使用を避けてください。
- 土瓶は非常にオシャレですが、その多くは味に対してマイナス影響を与えることから、使用はお勧めしません。
急須と茶杯(湯のみ)の材質
陶器
陶器の急須は味を良くすると思われがちですが、意外に、過半数以上の陶器にはコクを打ち消し、渋味を呈します。味に奥行きが感じられない場合、意外に急須が原因の場合がありますので、注意が必要です。
磁器やガラス
磁器やガラスはニュートラルなので味に影響を与えないと思われがちですが、溶出試験をするとミネラルが溶出することが分かっており、事実、お茶の味に顕著な影響を与えます。質の高いお茶を飲めば飲むほどに注意深く材質を選ぶ必要があります。
- ※材料の種類に関係無く、材質が味に影響することを考慮し材料選びをしてください。
詳しくは、《急須と茶杯の選び方は》を参考にしてください。
茶器の容積
お湯の温度
- 100℃(沸騰水)
- ※沸騰状態を3〜5分程続けた湯を使用します。
- ※暫く沸騰させ続けることで、水に含まれる重炭酸カルシウムが炭酸カルシウムへと変化し、お茶の味がより甘く感じられます。
茶葉の量
- 3〜5g(湯の量に関係無く)
- ※好み(薄め・濃いめ)により茶葉の量を調整してください。
- ※目安として5gで1ℓ(以上)のお茶を淹れることができます。
詳しい動画
手順1:急須の温度を上げる |
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手順2:茶葉の温度を上げる(洗茶) |
洗茶(茶葉の予熱)
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手順3:お茶を淹れる |
湯を入れてからの浸出(蒸らし)時間は以下の通りです。
1煎目は必ず薄くなります。1煎目から3煎目までを茶海/ピッチャー内であわせることで濃度調整をします。 4煎目以降も数秒の浸出時間でOKです。 |
注意事項
- ※急須に湯が残らないように、お茶を全て注ぎだしてください。湯が急須に残った状態で放置しておくと、茶葉は熱水により抽出され続け、2煎目以降非常に味が濃くなってしまうばかりでなく、茶葉が酸化してしまいます。
- ※お茶の濃い薄いは蒸らす時間ではなく、茶葉の量で調節してください。
- ※湯を注ぎだした後は、蓋を外し茶葉を冷却してください。冷却することで、酸化を防止し、茶葉を新鮮な状態に保つのことができます。
3. 下投浸潤泡法
中国のお茶の専門書が推奨する太平猴魁の淹れ方です。この方法は下投浸潤泡法と呼ばれます。 この方法はデリケートな取り扱いを必要とするお茶、つまりソフトで、強く揉まれていないお茶に適しております。
まず最初に少量の湯を注ぎ入れて茶葉に湯を吸わせ、ゆっくりと開かせます。次に湯を追加することで茶葉の成分を抽出するのです。
太平猴魁は、その美しい外観を楽しむためにも、ロンググラスで淹れる方法が良く用いられます。 ロンググラスは高級な中国茶を淹れるのに一般的に用いられています。
下投浸潤泡法での太平猴魁の入れ方は、以下の通りです。
使用する水
- 浄水器に通した水(水道水)
- もしくは、ミネラルウォーター
- ※水道水を使用する場合は、活性炭フィルター付きの浄水器を用い、水中の塩素を除去してください。
湯沸かし
○おすすめの湯沸かし
- ステンレス製の湯沸かし(やかん)
- ステンレスの電気ポット
- 保温機能付の電気ポット(例:タイガー、象印など)
△注意が必要な湯沸かし
- 鉄瓶は、急須の材質との相性があるため注意が必要です。
×使用を避けるべき湯沸かし
- 土瓶、銅、アルミ、真鍮製、銀のヤカンは金属イオンの影響で味をフラットにするため使用を避けてください。
- 土瓶は非常にオシャレですが、その多くは味に対してマイナス影響を与えることから、使用はお勧めしません。
ロンググラス
ガラスは耐熱ガラスでなくとも熱湯に耐えられます。色のついたガラスやクリスタルは味に影響をするため、無色透明のガラスを用いてください。
- ※材料の種類に関係無く、材質が味に影響することを考慮し材料選びをしてください。
- ※詳しくは、《急須と茶杯の選び方》を参考にしてください。
お湯の温度
- 100℃(沸騰水)
太平猴魁は窒素肥料を与えた旨味重視のお茶ではなくポリフェノールによるスッキリした味と香りを楽しむお茶です。したがって、お茶の香りを十分に引き出すために、沸騰水にて短時間で淹れるのがお勧めです。
- ※沸騰状態を3〜5分程続けた湯を使用する。
- ※暫く沸騰させ続けることで、水に含まれる重炭酸カルシウムが炭酸カルシウムへ変化しお茶の味がより甘く感じられます。
湯と茶葉の量
- 湯の量:150ml(実用容量)
- 茶葉の量:3g
- ※グラス一杯、約150mlのお湯に対して3gの茶葉を準備してください。
- ※上記の目安を参考にお好みで湯の量と茶葉の量を調整してください。
手順1: |
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(1)事前に温めたグラスに茶葉を投入してください。この時点で茶葉からはほのかに蘭の香りがしてきます。 |
手順2: |
(2)沸騰した湯をゆっくりと穏やかに注ぎ入れます。湯の量はグラスの3分の1か、茶葉が水に浸かる程度です。 ゆっくりとグラスを揺らし、茶葉に湯を染み込ませます。グラスから立ちこめる香りを楽しみましょう。 |
手順3: |
(3)2分後、残りの100mlの湯を注ぎ入れ、もう3分待ちます。 太平猴魁は見た目が重要であるため、お茶は非常にソフトな手作業で作られております。 茶葉の細胞は殆ど破壊されておらず、普通の緑茶よりも抽出時間が長目に必要です。 |
手順4: |
(4)もし味が強すぎるようでしたら、沸騰水を加えて薄めてください。 このお茶は、茶葉を除去せず、グラスに茶葉を入れた状態でお茶を飲みます。 |
手順5: |
(5)このお茶は4煎目まで淹れることが出来ます。通常、強い蘭の香りは1煎目で感じられます。 2煎目ではまったりとした味を楽しんでください。3煎目と4煎目では、茶葉に残っているデリケートな香りを楽しみます。 グラスの湯が3分の1程度になった時点で、湯を追加すると、味が薄まることなく、後まで比較的強い香りが楽しめます。お茶を、直ぐに飲まない場合は、茶こし等を用いて茶葉から水を除去してください。 茶葉を水に漬けたままにしておくと、味がとても苦くなります。 |
4. 水出しの作り方
水出しの作り方については、こちらの記事もご参考にしてください
使用する水
- 1度沸騰させ、湯冷ましさせた水
- ※一度沸騰させることで水に含まれる重炭酸カルシウムが炭酸カルシウムに変化するため、甘味と香りがしっかりと出ます。
- ※必ず塩素を除去した水をご使用ください。
- ※生水の場合、味がやや水っぽくなります。
茶葉の量
- 1ℓに対して5g
浸出時間
- 冷蔵庫にて4-6時間後、茶葉を取り除きます。
- ※濃くなり過ぎたら水で薄めてください。
保存方法
- 冷蔵庫(5℃前後)にて保管してください。
- ※上記の方法で、3日は鮮度を維持することが可能となります。
5. カフェインを控えたい人にお勧めの淹れ方
カフェインは湯の温度が80℃以上で抽出されやすく、80℃以下では抽出されにくいという性質を持っています。
この性質を応用することで、できるだけカフェインを非常に抑えたお茶を淹れることが可能となります。
具体的には、湯冷ましさせた水を使用し、水出し茶を作ります。ただし、ポイントとして、少量の水で長時間いれることで濃厚なお茶の原液(5倍濃縮)を作ります。
その原液をカルピスの要領で熱湯で割ってお茶を淹れるスタイルです。この方法を応用して頂くことで、自宅だけではなく、会社などでも淹れたてのような美味しいお茶を淹れることができます。
以下の記事もご参考にされてください。
使用する水
- 1度沸騰させ、湯冷ましさせた水
- ※一度沸騰させることで水に含まれる重炭酸カルシウムが炭酸カルシウムに変化するため、甘味と香りがしっかりと出ます。
- ※必ず塩素を除去した水をご使用ください。
- ※生水の場合、味がやや水っぽくなります。
茶葉の量
- 100-200mlに対して5g
浸出時間
- 冷蔵庫または常温で4-6時間
飲み方
- カルピスの要領で、抽出したお茶を5倍に割ってお茶を淹れます。
- 湯は沸騰させた熱湯をご使用ください。

お茶のある暮らしをもっと豊かに
わたしたちは、世界中の人々に本格的な日本茶の魅力を伝え、日々の生活の中でお茶を楽しむ文化を広めることを目指しています。
伝統工芸の技術を受け継ぐ職人たちと協力し、こだわり抜いた茶器を提供することで、お茶の時間をより豊かで特別なものにしていきます。

こだわりの茶葉と茶器
わたしたちのパートナーである茶葉の専門家は、世界中の茶園と直接契約し、産地の個性を最大限に活かしたお茶を提供しています。
また、世界的に評価されている南部鉄器の急須など、特別な逸品を取り揃えています。

お茶とともにあるライフスタイル
単にお茶や茶器を販売するだけでなく、お茶のあるライフスタイルを提案します。
実店舗では、お茶の試飲や体験型ワークショップを開催し、日本茶の奥深さを実際に体感できる場を提供しています。