お茶の淹れ方(F)
本ページでは、以下のお茶を対象にお茶の淹れ方をご紹介しております。
対象のお茶
- 東方美人
- 蜜香黄金芽
- 文山包種茶
- 日本茶(宇治煎茶、深蒸し仕立て、本山蛇塚煎茶、雁が音)
上記のお茶を以下の方法にてご紹介しております。
- 初心者向け / 大人数に適した淹れ方
- 細かな茶葉用の上級者向けの準工夫式(功夫式)
- グラスを使った淹れ方
- 水出しの作り方
- カフェインを控えたい人にお勧めの淹れ方
順にご紹介していきます。
1. 初心者向け / 大人数に適した淹れ方
低めの温度でいれる事で、渋味を回避する淹れ方です。
急須に関しては、中国茶用、日本茶用、紅茶用など多種多様ですが、素材さえ意識すれば、それぞれのお茶間での流用が可能です。
急須と茶杯(湯のみ)の材質 |
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陶器: 磁器やガラス: 材料の種類に関係無く、材質が味に影響することを考慮し材料選びをしてください。 急須と茶杯の選び方 >
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お湯の温度 |
※沸騰状態を3〜5分程続けた湯を使用します。 |
湯と茶葉の量 |
※上記の目安を参考にお好みで湯の量と茶葉の量を調整してください。 ※目安として5gで1ℓ(以上)のお茶を淹れることができます。 ※別の目安として1〜2人なら2〜3g、3〜4人なら5gのお茶が適量です。 |
手順1:急須を温める |
※湯は出来るだけ多く入れた方が急須の予熱をしっかりと行うことが出来ます。 |
手順2:お茶を淹れる |
湯を入れてからの浸出(蒸らし)時間は以下の通りです。
※1煎目は茶葉を開かせる必要があるため蒸らし時間が必要となります。お好みで蒸らし時間をご調整ください。 ※2煎目以降は茶葉が開いているため、数秒の蒸らし時間でも十分に味が出ます。 |
2. 上級者向けの工夫式(功夫式)
工夫式は中国語では功夫式泡茶と呼ばれ、広東省潮州における高級な鳳凰単叢烏龍茶をより美味しくいれる為に発達した淹れ方です。
比較的少量の湯を用い「高温短時間」でお茶をいれることで、香りの統一感、味の透明感を高めます。
各手順を素早く進める必要があるため、流速(お茶の注ぎ速度)の早い蓋碗、宝瓶、絞り出し、小型の急須(茶壺)が工夫式の淹れ方には適しております。
蓋碗(台湾茶器)
使用する水 |
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※水道水を使用する場合は、活性炭フィルター付きの浄水器を用い、水中の塩素を除去してください。 |
湯沸かし |
○おすすめの湯沸かし
△注意が必要な湯沸かし
×使用を避けるべき湯沸かし
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急須と茶杯(湯のみ)の材質 |
陶器 陶器の急須は味を良くすると思われがちですが、意外に、過半数以上の陶器にはコクを打ち消し、渋味を呈します。味に奥行きが感じられない場合、意外に急須が原因の場合がありますので、注意が必要です。 磁器やガラス 磁器やガラスはニュートラルなので味に影響を与えないと思われがちですが、溶出試験をするとミネラルが溶出することが分かっており、事実、お茶の味に顕著な影響を与えます。質の高いお茶を飲めば飲むほどに注意深く材質を選ぶ必要があります。 ※材料の種類に関係無く、材質が味に影響することを考慮し材料選びをしてください。 急須と茶杯の選び方 >
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茶器の容積 |
この方法で淹れる場合、200ml以下程度の容積の茶器が適しております。
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お湯の温度 |
※沸騰状態を3〜5分程続けた湯を使用します。 ※暫く沸騰させ続けることで、水に含まれる重炭酸カルシウムが炭酸カルシウムへと変化し、お茶の味がより甘く感じられます。 |
茶葉の量 |
※好み(薄め・濃いめ)により茶葉の量を調整してください。 ※プーアル茶は煎を重ねることができるお茶です。 ※目安として5gで1ℓ(以上)のお茶を淹れることができます。 |
手順1:急須の温度を上げる |
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手順2:茶葉の温度を上げる(洗茶) |
洗茶(茶葉の予熱)
※温度低下を避けるため低い位置から、茶葉に直接かからないよう、素早く湯を注ぎ入れます。 ※プーアル茶は固められており、茶葉内部の温度を高めるため、2回湯通しする必要があります。 |
手順3:お茶を淹れる |
湯を入れてからの浸出(蒸らし)時間は以下の通りです。
※お茶の香りと味の安定させるため、茶海などを使用し、1煎目と2煎目を合わせることでちょうど良い濃さとなります。 ※この方法ですと、6煎以上お茶を淹れることができます。 |
注意事項 |
※急須に湯が残らないように、お茶を全て注ぎだしてください。湯が急須に残った状態で放置しておくと、茶葉は熱水により抽出され続け、2煎目以降非常に味が濃くなってしまうばかりでなく、茶葉が酸化してしまいます。 ※お茶の濃い薄いは蒸らす時間ではなく、茶葉の量で調節してください。 ※湯を注ぎだした後は、蓋を外し茶葉を冷却してください。冷却することで、酸化を防止し、茶葉を新鮮な状態に保つのことができます。 |
3. グラスを使った淹れ方
グラス(フリーカップ、マグカップ)を用いた淹れ方は手早くお茶を淹れるのに非常に便利です。茶葉をよく観察するため、模様のない、ストレートでシンプルなグラスがお勧めです。尚、色のついたガラス(薄い緑や青も含む)は味に対して悪影響をするためお勧めしません。
湯を入れた際に茶葉が沈みにくいため、お茶を淹れる際には2段階に分けて湯を注ぎます。
最初に少量の湯を注ぐことで、茶葉に十分な湯を吸収させ、沈みやすくします。 ついで、必要量の湯を注ぐことで、茶葉から香りと味を効率よく得ることが出来ます。
使用する水 |
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※水道水を使用する場合は、活性炭フィルター付きの浄水器を用い、水中の塩素を除去してください。 |
湯沸かし |
○おすすめの湯沸かし
△注意が必要な湯沸かし
×使用を避けるべき湯沸かし
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グラス |
ガラスは耐熱ガラスでなくとも熱湯に耐えられます。色のついたガラスやクリスタルは味に影響をするため、無色透明のガラスを用いてください。 尚、無鉛クリスタルは味との相性が良い場合が多いです。 ※材料の種類に関係無く、材質が味に影響することを考慮し材料選びをしてください。 ※詳しくは、《急須と茶杯の選び方》を参考にしてください。 急須と茶杯の選び方 >
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お湯の温度 |
※沸騰状態を3〜5分程続けた湯を使用する。 ※暫く沸騰させ続けることで、水に含まれる重炭酸カルシウムが炭酸カルシウムへ変化しお茶の味がより甘く感じられます。 |
湯と茶葉の量 |
※ロンググラス一杯、約150mlのお湯に対して3gの茶葉を準備してください。 ※上記の目安を参考にお好みで湯の量と茶葉の量を調整してください。 |
手順1:茶葉をグラスに入れる |
予め予熱したロンググラスに2-3gの茶葉をいれます。 |
手順2:湯を注ぐ |
まず3分の1程度の湯を注ぎ入れます。 |
手順3:残りの湯を注ぐ |
茶葉が湯に馴染んだ頃合いを見計らってお湯をロンググラスの8分目まで注ぎます そのまま2-3分待ちます |
補足情報 |
※味が強すぎた場合、沸騰した湯を足してください。 ※グラスの湯が3分の1程度になった時点で、湯を追加すると、味が薄まることなく、後まで比較的強い香りが楽しめます。 ※このお茶は、3煎目まで淹れることが出来ます。1煎目で緑の爽やかな香りと味を楽しみ、2煎目で甘みのある豊かな味をお楽しみください。3煎目以降に淹れたお茶は、香りがマイルドになりますが、口の中に残る爽やかなフィーリングをお楽しみいただくことが出来ます。 |
4. 水出しの作り方
水出しの作り方については、こちらの記事もご参考にしてください
使用する水 |
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※一度沸騰させることで水に含まれる重炭酸カルシウムが炭酸カルシウムに変化するため、甘味と香りがしっかりと出ます。 ※必ず塩素を除去した水をご使用ください。 ※生水の場合、味がやや水っぽくなります。 |
茶葉の量 |
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浸出時間 |
※濃くなり過ぎたら水で薄めてください。 |
保存方法 |
※上記の方法で、3日は鮮度を維持することが可能となります。 |
5. カフェインを控えたい人にお勧めの淹れ方
カフェインは湯の温度が80℃以上で抽出されやすく、80℃以下では抽出されにくいという性質を持っています。
この性質を応用することで、できるだけカフェインを非常に抑えたお茶を淹れることが可能となります。
具体的には、湯冷ましさせた水を使用し、水出し茶を作ります。ただし、ポイントとして、少量の水で長時間いれることで濃厚なお茶の原液(5倍濃縮)を作ります。
その原液をカルピスの要領で熱湯で割ってお茶を淹れるスタイルです。この方法を応用して頂くことで、自宅だけではなく、会社などでも淹れたてのような美味しいお茶を淹れることができます。
以下の記事もご参考にされてください。
使用する水 |
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※一度沸騰させることで水に含まれる重炭酸カルシウムが炭酸カルシウムに変化するため、甘味と香りがしっかりと出ます。 ※必ず塩素を除去した水をご使用ください。 ※生水の場合、味がやや水っぽくなります。 |
茶葉の量 |
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浸出時間 |
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飲み方 |
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