
大雪山野生白茶
中国雲南省臨滄にある大雪山に自生する野生のカメリアタリエンシスから作られた白茶を発売しました。このお茶は非常に珍しく、雲南省でも殆ど見かけることがないお茶です。
散茶タイプの商品が入荷したときの写真
私は毎年雲南省を訪問し、大雪山野生茶の特注生産に携わっております。毎年の経験を積み上げることで近年では非常に満足の行く野生プーアル茶が作れるようになって来ました。目標とする品質ができるようになった事で、大雪山野生茶の茶葉を使用し、別の種類のお茶も作ってみたいという欲が出てきました。そこで、今年はプーアル茶を生産している傍ら、白茶の生産を試みました。
萎凋工程の様子
3月の20日前後に茶摘みを行い、摘まれた茶葉は日陰で風通しが程良い場所にて竹のザルに広げられ、2日間萎凋を行いました。萎凋とは、徐々に水分を落とすことで、脱水ストレスによってカテキンなどの物質を酵素的に発酵させます。上手に胃腸が行われたお茶は、花のような甘い香りがします。萎凋を行う際に、風通しがよすぎると、発酵する前に乾燥してしまい、青臭さが強いお茶になります。逆に、風通しが悪すぎたり、雨が続いて湿度が高い過ぎた場合、茎の部分が過度に発酵し、紅茶の様な香りを形成します。このお茶は標高が2000m近い地域にある工場で作りました。高山特有の気候により湿度が低かったため、屋内にて風通しを制限することで、萎凋のレベルを制御しました。
散茶の商品外観
お茶は極めて強い香りに仕上がりました。花、果物、山菜、若い木の皮を連想するような強い香りのお茶です。お茶を見ずに飲んだら、フレーバーティと勘違いされても不思議ではないレベルではないかと思います。もちろん野生茶ゆえに余韻が非常に強く、ふくよかで普通に飲んでいてもふわふわとリラックスした気分になり、人によってはお茶酔いが感じられます。
上下の写真は餅茶用に使用した毛茶原料
原料の毛茶
大雪山野生白茶の餅茶
大雪山野生白茶散茶タイプ (予約販売のみ)
おいしいいれかた
使用する水
身近な水と言うことで、水道水をお薦めいたします。水道水を使用される場合は、消毒用の塩素を取り除くため3~5分沸騰させてください。但し、例え沸騰しても塩素を完全に除去することは出来ません。可能な限り、活性炭フィルター付きの浄水器を用い、水中の塩素を除去してください。そうしないと、お茶の香り成分と塩素が共に反応し合い、本来の香りが楽しめません。また、塩素は微生物を殺菌するためにいれられております。殺すのは健康に害のある微生物だけでなく、私達の腸にすむ善玉菌も同様に殺菌してしまいます。また、細胞レベルでも様々な害が報告されており、アレルギーの原因にも成り得ます。
蒸留水や逆浸透膜水の場合、ミネラルを全く含まないために、お茶の味がフラットになりがちです。出来るだけ水道水等、ミネラル水をご使用ください。
尚、ヤカンに付着した水垢(スケール)は決して除去しないでください。クエン酸洗浄などを行うことで、従来のお茶の味が得られなくなってしまいます。
一端使用される水の種類を決められたら、今後、水の種類を変えないように同じ種類の水を使用し続けてください。水の種類が変わった場合、スケールからミネラルが大量に溶出し、暫く使っていると、お茶の味が劇的にまずくなります。同じ水を使用し続けることが、お茶を美味しくいれるための秘訣です。
美味しい飲み方
一般的な淹れ方
茶葉の量 200mlに対して3-4g
湯の温度 沸騰水
いれる時間
1煎目 30-40秒くらい
2煎目以降 10秒内
この方法ですと合計で6煎以上いれることが可能です。
工夫式の淹れ方
お茶をおいしくいれるためには是非工夫式のいれかたでいれてみてください。工夫式とは潮州の鳳凰単叢烏龍をおいしくいれるために発達したいれかたです。
茶葉の量 100mlに対して5-7g
湯の温度 100℃
沸騰した湯を使い2回洗茶をする。茶葉の温度をあげるのが目的。洗茶は1−2秒内に手早く完了してください。
1煎目も、2煎目以降も数秒内としてください。1煎目は薄めですが、2煎目以降ちょうど良い濃さになります。
意外に美味しい淹れ方
白茶は冷水で淹れる事も出来ます。冷水はミネラルウォーター又は浄水器を通した水を用いてください。3gに対して200mlの水を注ぎ入れ、20~30分放置して下さい。白茶からは香りと味が徐々に抽出され、自然のままの味と香りを楽しむことが出来ます。水で抽出した場合、湯と比べて色があまり出ませんが、実際に飲んでみると豊かな味を感じて頂くことが出来ます。
茶葉の保存方法
常温にて保管されることをお薦めいたします。
お茶は湿度に弱く、水分を少しでも吸収した場合、即劣化が開始されます。
水分は以下のような状況で意図せず吸収されますのでご注意ください。
- お茶を淹れる際に、近くに置いてあり湯気が触れる
- スプーンなどに水分が付着している
- 湿度の高い日や場所で開封したため
- 冷蔵庫から出した際に、即開封したために、結露が発生
- 冷蔵庫から出して、暫く未開封のまま常温に戻したものの、シールが完全でなく結露が発生
実際、茶葉が劣化する最大の原因は4と5のようです。
冷蔵庫に保管した場合、袋の内部は冷えており、テープなどでしっかりとシールしていても、かなりの率で外気が中に進入し、結露を起こします。茶葉を結露してしまった場合、2-3日で香りが劇的に変化します。
出来る限り、常温で保管し、しっかりと乾燥した部屋でシールをすることで湿度を避けて保管してください。開封したら数ヶ月内に消費してしまうのが理想です。
未開封で真空包装されている商品につきましては、1年以上の保管が可能です。更に熟成を進めたい場合、常温にて、未開封のまま(真空包装のまま)保管してください。尚、購入直後のままの品質を維持されたい方は冷蔵庫にて保管してください。冷蔵庫に保管された場合は、必ず、24時間かけ常温に戻してから開封するようにしてください。半日もおけば大丈夫と思われがちですが、茶葉は大変表面積が大きく、天然の断熱材と言っても過言ではありません。手で触ってみると、既に常温に戻っているように感じられますが、内部は冷えており、十分に温度を常温に戻すには24時間必要です。尚、一端冷蔵庫からだし、開封された後は、常温にて保管してください。秋~春は外気の温度が低いため、常温保存をしても数ヶ月以上美味しい状態を維持することが出来ます。
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