蒙頂甘露
蒙頂甘露
1000年以上の歴史を持つ緑茶の原点とも言えるお茶
蒙頂甘露は四川省を代表する緑茶です。
記録によると、このお茶は紀元前から作られていたようです。
つまり、2000年以上もの長い歴史を持つお茶です。お茶の歴史の話になるとかならず登場するのが、茶経という書物を出版した陸羽ですが、陸羽が生きていたのは西暦733~804年ですので、実際には陸羽が生まれる1000年位前から作られていたお茶と言うことになります。
当時の中国は西漢と呼ばれる時代で、当時、蒙頂甘露は寺の僧侶達により作られておりました。当時は寺が唯一組織力を有しており、ゆえに、共同作業を必要とするお茶作りは寺が中心となり行われていたようです。
写真は蒙頂山で最も古い寺(左)と蒙頂山手前の門(右)
蒙頂甘露は四川省の成都から車で数時間の距離にある、名山県という地域で作られます。
名山県には、蒙頂山と(蒙山と呼ぶこともある)いう山があり、この山で採れたお茶が原料として用いられます。
但し、近年、蒙頂山は観光地として著しく商業化しており、蒙頂山にある茶園の多くは、現地を訪れた観光客にお茶を売ることで生活が成り立っております。
茶商をはじめとするプロではなく、素人である観光客への売買が中心となると、品質の善し悪しは余り重要ではなくなります。
現在、蒙頂山産の茶葉生産は質から量へと移行しつつあり、肥料を用いずに時間をかけてゆっくりと育ったお茶はとても入手が難しくなりつつあります。
蒙頂山の茶園
HOJOのラインアップの中では中国緑茶の取引量は微量なのですが、上記の様な事情により、良質の原料の入手が難しく、私達は四川の名山へ直接出向き現地での買い付けをすることで、一定レベルの品質を確保しております。
蒙頂甘露は蘇州の碧螺春などの一般的な高級中国緑茶と同じく、早春に出た芽を手で摘み取り、それを釜炒りにした後に、手揉みで作られます。 但し、知名度は碧螺春程高くないため、より安い値段で良質の茶葉を入手することが出来ます。
四川では蒙頂甘露をグラスに入れ、直接湯を注いで飲みます。
爽やかな甘さを感じる香りとスッキリとした飲み味が特徴のお茶で、口に含むとじんわりと甘さが感じられます。喉越しは強すぎず弱すぎず、喉に残る甘さを感じて頂く事が出来ます。
水出しにしても美味しく、ティスプーン一杯を500ml位の水に入れ、冷蔵庫に入ておけば、数時間後には爽やかなアイスティが楽しめます。