鳳凰単叢 老欉姜花香 2022
鳳凰単叢 老欉姜花香 2022
このお茶は、烏崠桂竹湖村(烏崠山脈の天池の近く)で、標高1200mに位置する樹齢60歳程度の茶樹から作られました。
老欉生姜香2022の茶樹
鳳凰単叢の中で、香りが強いお茶の代表格の一つは蜜蘭香ですが、姜花香も同様に非常に香りが強いお茶です。ただし、香りの種類は蜜蘭香とは全く異なります。姜花香は、良い意味でのスパイシーさを伴う強いトップノートが感じられ、とても華やかな香りがするお茶です。
姜花香の香りを説明する際、現地では生姜の花の香りがするお茶として語られます。残念ながら、日本では生姜の花の香りを体験する機会は殆ど無いため、生姜の花と言われてもピンとこないかもしれません。ただ、台湾や中国などへの出張時、生姜の花の香りを嗅ぐと、本当に姜花香の香りとそっくりで驚きます。日本の花で香りを表現するなら、水仙やユリの花が香りとして近いように思います。また、スモモやネクタリンのような桃系の香りも感じられます。
老欉の名を冠しているだけあり、お茶を淹れると原料の品質の優れている点が目に止まります。余韻が長く、甘い後味と共に、喉に残る香りがいつまでも漂い、飲み味が非常に軟らかなお茶です。
質の良い鳳凰単叢の特徴
良質な鳳凰単叢は喬木と呼ばれる形式で栽培されます。喬木とは成長点を剪定しないことで、お茶の木が山の木のように枝を広げ、大きく成長する栽培法です。(以下の写真参照)
鳳凰単叢のお茶の老木と私、北城(後ろ姿)
一方、日本や台湾、インド、スリランカのような一般栽培茶園の茶樹は、低く刈り込まれ、よりコンパクトで管理された形態を持ちます。一般栽培茶園では、茶樹が密集し、効率的な収穫が可能であり、生産量が多く、経済的な利点があります。一方、喬木のお茶の木は、自然な生育環境で育ち、茶葉の収穫にとても手間がかかりますが、風味や品質は喬木形式の方が優れております。
鳳凰単叢烏龍茶の産地である鳳凰鎮に行くと、標高の高いエリアには喬木方式で茶樹は管理されております。逆に周辺地域を含む、標高が低いエリアには、一般茶園方式に準じた茶園が広がっております。
標高の高いエリアのお茶の木は全て喬木形式:写真は烏崠村付近
鳳凰単叢には、渋みや苦みといったイメージを持つ人がいますが、このようなお茶は、主に肥料を多く使用して作られた低地の一般茶園方式のお茶、さらに殺青温度や焙煎温度が高いこともその原因の1つです。また、標高の高い地域では、基本的に春茶のみが収穫されますが、低地の一般茶園はより商業ベースで作られている事から春夏秋に収穫される事も珍しくなく、これらのお茶が渋い原因となることもあります。
一方で、高い標高で育てられた喬木の良質な鳳凰単叢は、熱湯で淹れてもほとんど苦みや渋味を感じません。