茉莉龍珠 Special Grade
茉莉龍珠 Special Grade
雲南省のお茶の芽に福建省福鼎産の芽をブレンドすることで理想的な味を生み出しました。
雲南省の茶葉は自然栽培茶園から入手しており、味がしっかりしており、濃厚な余韻が感じられます。
福建省茶葉は円やかで優しい口当たりが特徴ゆえ、少量ブレンドする事で、雲南省の茶葉由来の濃い後味と福建省の茶葉の滑らかな飲み心地が心地よいハーモニーを醸し出しております。
秋の雨の少ない時期に収穫されたジャスミンの鮮花で着香を行っており、非常に新鮮なジャスミンの香りをお楽しみ頂けます。
このレベルのお茶は安定して入手する事が出来ないため、Special Gradeとして販売させていただくことにしました。現在有る在庫が終わり次第終売となります。
原料茶葉の品質から根本的に見直し、普通のジャスミンパールでは到底太刀打ち出来ない品質のジャスミン茶をプロデュースいたしました。
茶葉は、3月摘みを選んでおり、非常に寒い時期に摘まれたお茶なので、冬の間に蓄えられた成分が新芽に凝縮されております。
春を思わせるような緑茶の爽やかな香りと、ジャスミンの花の香りが相成って、とても優雅で豊かな香りです。特に、初めてお飲みになる方は、味の奥行きが深さに驚かれると思います。
香りが何時までも喉に残り、口からの喉に至るまで広い範囲でお茶の美味しさを感じて頂けることと思います。
HOJOのラインアップの中で一番始めに体験していただきたい、中国茶入門にも最適なお茶です。
原料緑茶、ジャスミンの花、生産法に至るまで、妥協なしの特注ジャスミン茶です。
ジャスミン茶の品質は何で決まるかご存じですか? ジャスミンの香りで品質が決まると思われがちですが、そうではありません。
ジャスミンの花の香りがするのは当然ですが、それ以上に大切なのは、ジャスミン茶に用いられる茶葉の品質です。茶葉の品質の優劣で、ジャスミン茶の品質の8割が決まると言っても過言ではありません。
ジャスミン茶というと、「ジャスミンの花のお茶」とか「ジャスミンの葉から作られたお茶」と勘違いされているお客様がおりますが、正式なジャスミン茶とは、茶葉にジャスミンの花の香りを吸わせたお茶を指します。
このため、使われている茶葉の品質の優劣が、ジャスミン茶の最終的な品質に大きく反映されます。 最も高品質なジャスミン茶は春摘に摘まれたお茶の芽のみから作られたジャスミン茶です。
春摘みと言っても、3月摘み、4月摘み、5月摘みとあり、時期が早いほど、品質も値段も高くなります。
因みに、茶摘み時期は茶葉の白い部分と黒い部分の割合を見ればわかります。早摘みのお茶は、白い部分が多く、色の濃い部分も、どちらかというとシルバーに近い色をしております。
私たちは、3月摘みの茶葉を選んでおります。非常に寒い時期に摘まれたお茶なので、冬の間に蓄えられた成分が新芽に凝縮されております。
春を思わせるような緑茶の爽やかな香りと、ジャスミンの花の香りが相成って、とても優雅で豊かな香りです。特に、強調すべきは、味の奥行きが深いことです。
香りが何時までも喉に残り、口からの喉に至るまで広い範囲でお茶の美味しさを感じて頂けることと思います。
原料茶葉の品質から根本的に見直し、普通のジャスミンパールでは到底太刀打ち出来ない品質を作り上げる事に成功しました。
茉莉龍珠(ジャスミン茶)の5つの特徴
茉莉龍珠(ジャスミン茶)の特徴として、以下の5つが上げられます。
- 春の1番茶を使用しており苦味がなく、まろやかで甘い
- お茶はきれいな黄色をしており、暫く放置しても品質が劣化しない
- 5-6煎は平気でいれられ、経済的にもお得
- ロンググラスやマグカップでも簡単に入れられる
- 水出しがとても美味しい
HOJOのラインアップの中で一番始めに体験していただきたい、中国茶入門にも最適なお茶です。 まずはそのお茶としての魅力からお伝えします。
華僑がカルチャーショックを受ける美味しさ
東南アジア在住の華僑がどのような人々かご存じでしょうか?
彼らはビジネスの成功者、つまり裕福な生活をしている人たちです。もちろん中華料理を常食としており、頻繁に高級ジャスミン茶を飲んでいます。
私たちはマレーシアの最大級のショッピングモールMid ValleyのGardens Mallに直営の店を所有しております。 最初は日系ブランドが販売するこの中国茶に対して半信半疑だった彼らですが、実際に飲んでいただいての評価は高いものでした。
「香りが本物の花のよう」
「強すぎず、弱すぎない」
「ジャスミンの香りが口の中に残らない」
「後味が甘くて美味しい」
「何度淹れても爽やかなジャスミンの香りが続く」
驚いたことに、このようなジャスミン茶は初めての体験であり、今まで飲んでいたジャスミン茶は何だったんだろう?と言ってくださります。
また、日本での様々なモニターテストでも同様の感想をいただきました。
「香りが鼻からすっと抜け、緑茶の甘い味が残るため、食事とともに飲むことが出来る」
「ジャスミン茶の香りではなく、ジャスミンの香りがする」
「嫌味がなく、心地よくなる香り」
「匂いたつ香り、神経を静める心地よさ」
「香りがとても良いのに驚いた」
HOJOのジャスミン茶”茉莉龍珠”は、本当にそこにジャスミンがあるかのような上品で自然な香りがし、それが5~6煎目まで淹れても続きます。
高級茶ならではの経済性
一回分の茶葉(3g)で5煎目になっても香りが持続します。2,800円/100gと言うことは、3gあたりの金額は、約85円。
つまり、一杯あたりの金額は約17円と言う計算になります。この値段で中華料理の最高級レストランを遙かに超越した品質のジャスミン茶をご自宅でお楽しみ頂けます。
グラスを使えば淹れ方も簡単
ジャスミン茶を飲むためには、特別な茶器は必要ありません。 ロンググラスを使えば誰でも簡単に、ジャスミン茶を楽しむことが出来ます。 以下はロンググラスの中で、お湯を注がれたジャスミン茶の茶葉が開いていく様子です。
小さじ一杯の茶葉を入れて下さい。欲張って沢山いれる必用はありません。
沸騰した湯を少し冷まし、80-85℃のお湯をグラスにそっと注ぎます。
直ぐに茶葉が開き始めます。品質が高い程、開く速度が速いと言われております。
ついついグラスを揺らしたくなりますが、デリケートな味を得るためにはそっとしておいてください。
3分経ちました。茶葉の産毛が抜け、水中に舞います。そっと揺らして濃度を一定にしてください。
飲み終わったら更に湯を注いでください。5-6回飲むことが出来ます。
何と言っても美味しいのは水出し
HOJOのジャスミン茶は冬直後に収穫されたやわらかい芽だけから作られた緑茶を原料としております。従来、白茶にも用いられるこの茶葉は、水出しにすると、家族も吃驚!の美味しさです。
作り方は極簡単!
- 5g(例)に対し、1000ml程度の水を準備します。湯冷ましを使用されると香りと味がより良くなります。
- 急須は使いません。ペットボトル等のプラスチックかガラスの容器に茶葉と水を入れてください。
- 上記容器を冷蔵庫に入れて数時間以上おいておくだけ。
- 茶葉が完全に開いたら飲み頃です。
もし作りすぎてしまったら?その時は、氷にしておきましょう。
他店の商品とどこが違うの? - 茶葉の違いを詳しく解説
「あ!このお茶知っている!」 と言われます。
多くの方が、丸い形状をしたジャスミン茶は皆同じ種類と思われているようです。
しかし、この球形をしたジャスミン茶「ジャスミンパール」は、中国・台湾・インドの至る所で、何百・何千もの異なる生産者によって生産されている事をご存じでしょうか?それぞれの会社で同じような形状のジャスミン茶を生産しております。
実は形状が同じでも、その品質、それに伴う値段には大きな差があります。丸い形状にする目的は、ジャスミンの花と混ざりやすくする為です。
しかし、その混ぜ方、使用するジャスミンの種類、茶葉の種類、茶葉の加工法、その他諸々の要素が品質に大きく影響します。何よりももっとも品質に影響する要素は使用する緑茶の品質です。
緑茶は3月から収穫が始まり、4月、5月、6月更には秋摘み迄もが市場に流通しております。
HOJOでは3月摘みの緑茶を使用しているのはもちろんですが、加え、肥料をあまり使わない作り方で作られた緑茶を求める事で、後味の濃さを重要視しております。
ジャスミン茶は出荷前に日本国内で篩がけと目視選別を行っております。
茉莉龍珠の歴史と文化 - 中国産の品質が一番良い理由
ジャスミンの花はイランが原産です。ジャスミンの花は唐の時代にシルクロードを経て中国に持ち込まれ、中国に入ってきてから既に1700年が経つと言われております。
最初の頃はジャスミンの花はデコレーションの目的のみに用いられておりました。ジャスミンの花をお茶に用いる取り組みは南宋(1240年)の頃、広東省で始まりました。
明の時代になり、ジャスミンの花の香りを茶葉に吸着させる技術が劇的に革新され、原料の選定方法、ブレンドのレシピ、乾燥方法を始めとする具体的な加工法が確立され、マニュアル化されました。
大規模な工業生産は清の時代に福州で開始されました。1900年には福州でのジャスミン茶の生産量は1500トンに達しました。
最も多いとき(1928-1938)には、ジャスミン茶の合計生産量は7500トンに達したと言われております。19世紀の終わりになると、外国の貿易会社が福州にオフィスを構え、ジャスミン茶は外国との重要な貿易アイテムとして取引されました。
人気が高まるにつれ、ジャスミン茶の生産は南部から北部及び東部(浙江、四川、湖南、広西、雲南)へと広がりを見せました。
しかしながら、ジャスミンは寒い環境下では生育することができず寒い地方では、ジャスミンを暖房下の室内に移動する必要がありました。
これらの管理は非常にコストがかかることから、北部の生産会社は採算が合わなくなり淘汰されました。中国の他にもジャスミンの香りは台湾の茶貿易商人の注目を集めました。
1873年には台湾より茶葉が福州に輸出され、ジャスミンの香りを付けるための委託加工作業が行われるようになりました。1882年には台湾の業者がジャスミンの種を持ち帰り、台湾国内で栽培を開始しました。
1939年までには台湾におけるジャスミン茶の生産量は年間1300トンに達するようになりました。 しかしながら、台湾の特徴的な気候のため、ジャスミンの花の香りは中国産のそれと比べると香りの点で劣っておりました。
1980年以降、広西の政府はジャスミン茶の生産を拡大するため多大な努力を行いました。同時に、広西はジャスミンの花の生産地として中国の商業省から認定されました。
これら一連の改革により今日、広西のジャスミン園は最大で、しかも高品質のジャスミンが生産されることで知られるようになりました。
最高のジャスミン茶は優れた茶葉と花との出会いが重要
ジャスミン花
ジャスミン花
ジャスミンは元々熱帯性の気候を好む植物で20℃以上の温度を必要とします。これまで広西のジャスミン栽培地区は気候的に最も生育に適していることが証明されております。
この地域は亜熱帯性のモンスーン気候に位置します。この気候のおかげで、ジャスミンは容易に越冬することができ、凍結・霜の心配がありません。
花が開花する時期は、大気温度が25℃以上あることが望まれます。ジャスミン園は丘陵地帯のスロープに位置しております。
この立地は、良好な水はけとジャスミンに十分な太陽光が降り注ぎます。加え、土地が非常に肥沃であるため、サイズが大きく香りの強い花を付けます。
この品質的な優位性により、他の花の70%の量で同等のレベルの香りが得られると言われております。
茶葉
ジャスミン茶生産に用いられる茶葉は2010年位までは福建省産の福鼎大白という品種が主流でした。
しかしながら、福建省では白茶のブームで、白茶の値段が高騰し、それに伴い多くのジャスミン茶用の緑茶農家が白茶生産へと転向してしまいました。
未だ一部の農家ではジャスミン茶用の緑茶を生産しているものの、値段の上昇が著しく、それゆえに、近年では雲南省産の緑茶が注目を集めております。
HOJOでは茉莉龍珠は雲南省産の緑茶、茉莉龍珠 Specialは雲南省のお茶の芽と福建省福鼎産の芽をブレンドすることで理想的な味を生み出しております。
ジャスミンの花
ジャスミンの花畑
ジャスミンの花は幾つかの種類に分かれますが、大別すると3つのグループに分けることが出来ます。
- Single-Petal(花びら) Jasmine
- Double-Petal Jasmine
- Multi-Petal Jasmine
①Single-Petal(花びら) Jasmine
1963年以前はこの種類のジャスミンが主にジャスミン茶加工用として栽培されておりました。この種類のジャスミン花はDouble-Petalジャスミン(8~9時)と比較すると早い時間(6~7時)に開花します。生産量が非常に少なく農園の単位面積あたりDouble-Petalジャスミンの半分くらいしか収穫が出来ません。加え、病気に非常に弱く、環境に対しても適応能力が低いため、近年ではほとんど栽培されておりません。
②Double-Petal Jasmine
生産量が非常に高いこと、環境への適応能力が強いこと、花が一斉に開花すること、花からは強い香りが放たれていることから、ジャスミン茶の生産に適しております。
③Multi-Petal Jasmine
摘花した後、花は7~8時に開花します。但し、花の開花の仕方が一定でなく、徐々に、更にランダムに開花することから、ジャスミン茶の加工用として用いた場合、香りが弱く適しておりません。
花の収穫時期は気候と生育地域の条件の違いにより一定ではありません。一般には、4つの主なシーズンに分けられます。
- 春花:一般的には5月~6月、年間生産量の15%が生産されます。
- 夏花:一般的には7月、年間生産量の30%が生産されます。
- 伏花:夏の終わり、一般的には8月、年間生産量の30%が生産されます。
- 秋花:一般的には9月~10月、年間生産量の25%が生産されます。
春の間は、環境の温度が低いことと、植物内に栄養が蓄積されていないことから生産量は少なく、品質的にも劣ります。早春と晩秋に収穫された花はサイズが小さく黄色みかかった色をしております。
ほとんど開花しないことからジャスミン茶加工用には向いておりません。ジャスミン茶加工用に最も適している花は、夏と夏の終わりに収穫されたものです。
温度が高く十分な日光と雨に恵まれており、これらの要素はより多くの花と、より大きなサイズ、よりすぐれた品質を作り出すために適しているのです。
摘花で重要なポイントは、摘んだ花が夜開くかどうかという点です。そのため、摘花のさいは、ジャスミン茶の加工に適した花が注意深く選ばれ、摘まれます。摘花の基準は以下のようになっております。
- 花びらが完全で白い色をしており、長い茎があること。
- 緑色の花びらの物は開かないため、摘花しません。
- 既に開花している花は香りの多くが失われているため、摘花しません。
加工 - 全てが職人さんの手作業により作られる
ジャスミンパールは極めて複雑な手作業によりつくられます。 緑茶は早春に加工され、その後、ジャスミンのシーズン(夏)が来るまで保管されます。香り付け工程では、最高の香りを茶葉に吸着させるため、花に対して過剰なまでのケアが施されます。
ジャスミンティ用の茶葉の加工
何故高級ジャスミン茶は粒状なのでしょう?高級ジャスミン茶はどれもパール状をしております。
何故この形なのか、理由をご存じですか?実は、ジャスミンの花との混合分散がスムーズに行われるよう、茶葉を球状に加工することで、ジャスミンの蕾と同じ形、同じサイズにしているのです。
茶葉とジャスミンの蕾、それぞれ丸い球同士お互いに良く混ざり合うことが出来るのです。
茉莉龍珠の製造には以下の工程を行なっております。
- 室内萎凋
- 殺青 :酵素の不活性化
- 1回目の乾燥
- 揉捻
- 2回目の乾燥
- 分級
- 復火
- 冷却
以下に各工程についてご紹介いたします。
室内萎凋
摘採後の茶葉は丁寧に薄い層に広げられます。ダメージをうけた茶葉は褐変や黒変を生じ、最終製品の品質に影響を与えます。萎凋工程は茶葉の水分量が70%になるまで続けられます。萎凋工程により、茶葉からは青臭い香りが抜け、苦味と渋みが減少し、アミノ酸の割合が増すことで甘みが強く感じられます。
殺青:酵素の不活性化
260℃に加熱されたドラムに茶葉を通すことで、一気に加熱を行い、酸化酵素(ポリフェノールオキシデース)の不活性化を行います。
同時に、高温での処理は青臭い香りを抜くことにも貢献してくれます。 加熱処理により茶葉は柔らかくなります。 柔らかくなることで、後工程に控える揉捻に適した性質になります。
1回目の乾燥
茶葉の水分が30%になるよう乾燥機で乾燥が行われます。
揉捻
乾燥後の茶葉は冷却され、完全手作業によるローリング(揉み)工程へと進められます。特徴的な珠状の形にする理由は、表面積を増やすことでジャスミンの香りを吸着しやすくするためです。全てを手作業で行うため、熟練の職人でも1日に2kgの製品しか仕上げることが出来ません。
2回目の乾燥
珠状に成形されたお茶は、再び乾燥機で乾燥されます。最初は110-120の高め、その後95-105℃の低めの温度に調節されます。乾燥後の製品は7%の水分を含んでおります。 乾燥された茶葉はジャスミンのシーズンが来るまで倉庫で保管されます。保管中は水分量が9%を超えないよう、真空の入れ物で日陰の温度の低い場所に保管されます。 香り付け工程へ進む前に茶葉は前処理を施されます。
分級
茶葉の珠は篩にかけられ、サイズ毎に分級されます。また、同時に破片等、不揃いな茶葉を除去します。
復火
茶葉は再び乾燥機にかけられます。茶葉に焦げ臭い香りを付けないため、乾燥機の温度は低く保たれます。(100~110℃)乾燥することで保管中に茶葉が再吸収した水分を蒸発し、同時に保管級に付着した香りを揮発させます。乾燥後の水分は5%以下になります。
冷却
乾燥後の茶葉の温度は60-80℃位です。茶葉は薄い層に広げられ、室温より1-3℃高い程度まで冷却されます。茶葉が十分に冷却されていない場合、その後の香り付けの工程に影響を及ぼします。ジャスミンの花は環境温度の変化に対して非常に敏感であり、開花には低い温度が必要です。
ジャスミンティ製造用の花の準備 まるで花屋さん並の厳重な品質管理!
摘まれたばかりのジャスミンの花は以下の項目に基づき管理されます。
冷却
花を工場まで輸送している間、花は呼吸をし続けているため、温度は徐々に増加し、38℃まで到達します。温度の上昇は、後の工程における開花に影響が生じるため、花は10cm以下の薄い層に広げられます。もし花が雨の後に収穫された場合、更に薄い層に広げ、送風機で空気を送ることで水分を揮発させます。
鮮花養護(せんかようご)
この工程は、積みあげられた花の温度を厳密に管理するために行われます。必要な時に花を開花させるため、この工程は非常に重要な役割を担います。ジャスミンの花の開花は温度の変化に大変敏感に出来ております。予定通りに開花させるためには、花の温度を32-37℃に維持する必要があります。もし、積み上げられた花の温度が30℃以下の場合積み上げる厚さを増すことで花の温度をあげ、逆に38℃を超すようであれば、層を薄くすることで温度を下げます。
篩(ふるい)い分け
約60%の花が開花した時点で花は篩にかけられます。篩い分けを行う理由は、花をサイズ毎に分級するためです。更に、緑の芽と茎を除く目的もあります。均一なサイズの花だけが集められ、用いられます。これは同じタイミングで開花を行うために重要な要素です。
茶葉とジャスミン花の混合 ファーストクラス並みのケア
これは最終製品の品質に大きく影響する非常に重要な工程です。以下、5つの重要な要素を示します。
1)茶葉と花の混合比率
使用される花の量は最終製品のグレードに依存しております。高品質の製品はより多くの花を必要とします。最高級のジャスミン茶100kgを作るためには、100kgの花が必要とされます。100kgの花は4回に渡り用いられます。1)最初の着香:38kg、 2) 2回目の着香:30kg、3) 3回目の着香:26kg、4回目の着香は6kgで行われます。1級品の場合最終着香がありません。低いグレードのジャスミン茶になると、茶葉は使用済みの花で着香が行われます。
2)開花の割合
80%以上の花が開花した時点で茶葉と花が混ぜられます。開花が不十分な内に混合されてしまった場合、花は茶葉の重さで圧され、その後も開花することが出来ません。また、より大きく開花している方が表面積は大きくなり、着香がより効率よく行われます。
3)水分量
着香を行う際、茶葉の水分は4-4.5%に維持されます。着香の後、茶葉の水分は劇的に増加します。しかしながら、水分量が18%を超えないように管理が必要です。水分が18%を超えた場合、花が傷み始め、不快な香りが発生します。
4)積み上げられた花と茶葉の厚み
厚さの調整の目的は、茶葉と花の温度を管理するためです。一般的には30-40cmの厚さが用いられますが、様々な外部要因により厚さは随時調整されます。
5)茶葉と花の混合作業
敏速に行われる必要があります。時間をかけるほど、花の香りが飛んでしまいます。
ジャスミンと茶葉の混合作業
混合作業は全て手作業により執り行われます。まず、茶葉と花は3~5つのグループに分けられます。最初のグループは10-15cmの層に広げられます。
その上に、同じく最初のグループの花が積み重ねられます。同様に各層とも茶葉と花を交互に積み重ねます。そして、最終的に熊手を用い混合を行います。花と茶葉の混合層はその後5~6時間静置されます。
通花
通花とはベンチレーション(通気)の意味です。ベンチレーションを行う理由は、以下の3つがあります。
- 温度を下げるため。
- 花に空気を与えることで、連続的に開花させるため。
- 二酸化炭素を放出させるため
職人は熊手を使い、茶葉と花の混合物を10-15cmに広げます。この作業は15分ごとに行われ、1時間続けられます。その後、温度の変化に合わせ、茶葉と花の層の厚さが調整されます。
合計すると着工のプロセスは10-12時間かかります。温度が下がると、香りが十分に付かず、温度が上がりすぎると花が黄色くなり変質した香りが付くため、温度調節はジャスミン茶の品質を構成する非常に重要な要素です。
起花 - 花と茶葉の分離
着香が完了した時点で、古くなった花は除去されます。除去するタイミングが遅くなった場合、花は劣化し、不快臭が茶葉に移ります。
一晩たち開ききったジャスミンの花
花が開くことで、ジャスミンの花は茶葉(パール)よりも嵩が大きくなり、篩で容易に除去することが出来ます。
烘焙 (Hong-bei) - 乾燥
着香が完了した茶葉は乾燥機により乾燥されます。乾燥の条件は着香の回数により変わります。
- 1回目の着香- 110~120℃, 水分 5.0~5.5%
- 2回目の着香- 100~110℃, 水分 5.5~6.0%
- 3回目の着香 - 90~100℃, 水分 6.0~6.5%
乾燥後、茶葉の温度を40℃以下に冷やす必要があります。温度が下がった茶葉は次のラウンドの着香工程へと進められます。
提花(Ti-hua) - 最終着香
この工程はジャスミン茶にとても新鮮な花の香りを付ける重要な工程です。最終着香の目的はジャスミンの香りを高める目的と、新鮮な生の花の香りを付ける2つの目的があります。
この工程には最も高級な品質のジャスミン花(大きな花びら、白い色、強い香り)が用いられます。自然な花の香りを残すため、最終着香の後の茶葉は乾燥されません。
最終着香をする前に、お茶の水分量が分析され、花の香りを混ぜた後の水分量を計算した上で花の使用量を算出します。最終製品の水分は8.5%以下に管理されます。
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